新しい試みとベースであるクラシックバレエとのバランス
親しみを感じてもらうことが芸術にとって非常に大切でもっと身近であたたかさを感じるものあってほしいです。ふれあいというか人間の温かさから芸術は生まれたものなのでコミュニケーションがなくなってしまったら芸術は衰退してしまうように思います。だからクリエイター、作り手側がそういう意識をもっていないと結局見る側は近づいてきてくれません。僕に出来ることはより多くの人たちを楽しませることだと思っています。バレエをより多くのお客様に知ってもらうことが一番大切なのでとにかくチャンスがあれば、自分が出来ることがあればやってみようと活動しています。活動を続けるうちに仲間も増え、若手のバレエダンサーたちと仕事をすることも多くなりました。僕は彼らにいつかバトンを渡す時が来るように彼らの活動の場を増やしていこうと動いていて、僕の舞台に立つ事で意識を高めていってくれたらいいなと思います。同時に日本のバレエ芸術自体のレベルアップするためにスター性のあるバレエダンサーを育ててバレエファンを獲得することも大切なことだと思います。自分だけが注目されても仕方ない、後に続く後輩を育ててどんどん日本のバレエ界を盛り上げていく必要があると思います。僕一人の名前が残るのではなく後輩たちももっと輝ける場所が増えてスターになってほしいと思いますし、クラシックバレエが日本においてもっとメジャーになり、身近に感じてもらえる芸術になれば日本人の芸術感性が高まるのではないかと思います。他ジャンルとコラボするなど入り口を入りやすくしてあげるとバレエのテクニックや表現っておもしろいねと興味をもっていないときっかけになるかもしれませんし、窓口を少し変えてみて接しやすい形にして表現することも必要だと感じています。ただ、クラシックバレエという基礎は僕の一番重要なものですからキープしていかないと軸がぶれてしまいます。他ジャンルとコラボすることができるのは自分のベースであるクラシックバレエという軸がぶれずにしっかりあるので新しいチャレンジができるのです。僕はクラシックバレエのプリンシパルダンサーという位置をキープしながらモデルやドラマ、舞台等の様々な活動をしていきますので非常にバランスが大切になってきます。先日、江東区で公演をしまして、非常にエンターテインメントな仕上がりでしたが、音楽は全てクラシックを使用しました。新しいものを発信しながらも歴史を大切にしたいという気持ちを持ち続けていますし僕のベースはやはりクラシックバレエをイメージさせるような存在でありたいです。
(AIVA Vol.3 保存版より転用)
次回、転換期、再構築の今
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